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『アップデートとコワーキングスペース』

『〇〇とコワーキング』といったテーマで、秘密基地のメンバーである原田さんに記事を書いていただきます。
[連載]

今回は『アップデートとコワーキングスペース』。


▲コワーキングスペース『秘密基地』

私ごとではありますが、約10日ほど人生初の入院生活を送っていまし
入院前は、入院生活=退屈なものというイメージを、私も抱いていたのですが、意外にもそうはならなかったのです。

そもそも最初は検査入院と聞かされていたのが、最終的には患部の除去手術という大掛かりな話に変化しておりました。

まさに「人生、一寸先はハプニング」だったのです。

入院当日もネットでクレカの使えるタクシー(入院患者は自分で運転してきてはいけない、という決まりがあるため)を呼んだはずが、クレカ非対応のクルマを配車され、入院前に現金がなくなりました。

そして、入院してみると病院内でクレカが使えるのは、医療費を精算する窓口とコンビニしかなく、かなり不自由しました。

コワーキングスペースと病室は真逆なイメージがあって、大人数がいても閉じられていないのが、コワーキングスペースで、大人数部屋でもカーテンで仕切られ、閉じた空間が病室といった感じでしょうか?

しかし、事前にレンタルWi-Fiを使うつもりでルーターを持ち込んでいたため、前半は非常に快適なネットライフを過ごしておりました。
ところがこのレンタルWi-Fiが、退院2日前に突然使えなくなり、やむを得ずiPhoneとパソコンを繋げて残りは過ごしました。

こういう時に選択肢を複数持っておくと、個人的には慌てずにすみますね。
理屈で考えるだけでなく、スッと次の選択肢が浮かぶ習慣が身に付いていると、意外と冷静でいられます。

ハプニングはまだまだ続きます。
非常に勢力の強い台風が通過後、いきなり外気温が夏に逆戻り。このタイミングで病室のクーラーが故障。

痛みと寝汗で寝られなくなるという事態にも遭遇しました。
考え方を変えると、発汗した事で、体内の不純物が外に出たともいえますので、これも悪いことばかりではありません。

実際、この日を境に痛みに関しては、痛み止めさえ飲んでいればかなり平時のコンディションに近づけていました。

他にも細かな行き違いやなんやらありましたが、帰りのタクシーを、確実にクレカ対応の会社から派遣してもらいましたが、機械トラブルでまたしても現金払いとなり、予めコンビニでおろしておいた現金が綺麗になくなりました。

とまあ、このように予想通りいかないからこそ、人生は面白いわけです。

これだけでも退屈はしませんでしたが、このコロナ禍にあって、すでに配信サービスが充実していたことで、ベッドの上からでもオンラインでいろんなことができました。

また、ネットがつながっていた事で、見ていたプロレスの試合の感想などを、当日病室にいながら仲間たちとシェアできたのもありがたい話でした。

現金対応しかできない、コロナ禍前と未だに変われない、悪い意味での田舎対応では、ますますこれから行き詰まるだけだと私は思います。

巷で使われているアップデートという表現は、個人的にはあまり好きではありませんが、言い方を変えるならば「人は歩みを止めた時に、そして挑戦を諦めた時に年老いていくのだ」と思います。

現金一択ではなく、複数の選択肢をもつ事で、一寸先のハプニングも楽しくすごせるという体験を、この八日間で得られた事は大きな一足となり、また明日いきるための道をつくってくれたのではないか、と退院した後、私はしみじみそう感じました。

そして、秘密基地に「帰ってきた」とき、いい意味で入院前となんら変わらない空間に心底ほっとしました。

もちろん基地自体は変化し続けているのですが、根底にあるものは、なんら変わっていなかったのです。それゆえの安心感だったと気づかされたのでした。

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